最高裁判所第二小法廷 昭和31(オ)1022 判決
主 文
本件上告を棄却する。
上告費用は上告人らの負担とする。
理 由
上告代理人吉岡秀四郎、同前野順一、同及川武夫の上告理由第一点について。
論旨は憲法三二条違背をいうけれども、その実質は原判決につき実験則ないし採
証法則の違背を主張しもしくはその事実認定を非難するにとゞまるものであり、原
判決が挙示の証拠によつて判示事実を認定した上、その事実に基いて被上告人と訴
外合資会社Dとの間の本件土地の貸借を使用貸借と認めても、所論の違法があると
はいえないから、論旨は採用できない。
同第二点について。
原審は、所論争点に対する判断をなすに当り、甲二号証に記載の各契約条項のほ
か、右契約の成立に至る経緯、とくに以前から本件土地の占有使用を継続していた
訴外会社において、被上告人からひたすらその使用の許諾を得るため、その条件と
して契約条項第四項の建物を被上告人に譲渡することにした事情等を詳細に認定し
た上、これらの事実関係から右建物の譲渡は本件土地の使用許可を得る代償として
贈与されたもので、土地使用の対価ならびに権利金の支払にかわるものではないと
して、本件貸借を使用貸借と認めたのであるが、以上原判示の事実関係の下では、
右の契約についての原審の事実認定ならびに契約解釈は是認することができるから、
原判決に所論の違法はない。
同第三点について。
論旨は、本件契約において本件土地の使用の許諾と土地の使用の対価ならびに権
利金の支払にかわる建物の譲渡が約されたとの主張を前提として原判決の違法をい
うけれども、原判決は右主張事実を否定したのであるから、論旨は前提を欠き採用
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することができない。
同第四点について。
原審で確定された事実によると、本件土地の貸借及び建物の譲渡をもつて地代家
賃統制令の規定を潜脱する目的に出た脱法行為と認めることはできないから、論旨
は採用でき雇い。
同第五点について。
原判決は、所論摘録のように本件貸借が臨時的暫定的なものであると判示し、こ
れを本件貸借を使用貸借と認めるについての一資料としたにとゞまり、借地法九条
にいわゆる一時使用の賃貸借の成立を認めたものではなく、また前記判示だけから
使用貸借を認めたものでもないから、原判決に所論の違法はない。
よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと
おり判決する。
最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 小 谷 勝 重
裁判官 藤 田 八 郎
裁判官 池 田 克
裁判官 河 村 大 助
裁判官 奥 野 健 一
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